奥さんが専業主婦では金持ちの道は遠い。

 女性の憧れの職業の1つは「専業主婦」です。男性もこの事実は知っておくべきです。

 会社でつまらない仕事ばっかりさせられるのも嫌だけど、かといって責任ある仕事を任されて、仕事のストレスですり減るのも嫌。仕事と家事の両立なんて大変そうだし、それよりも家で家事と育児をやって、子どもが手を離れたら、趣味に生きるというのが絶対優雅だよね。というわけです。

 それも賢い選択の1つです。実際、日本の税制や社会保険の制度は、専業主婦に特別有利にできています(夫がサラリーマンや公務員の場合ですが)、

 ですが、現実を見てみましょう。昔、おそらくあなたの両親の時代は、夫だけが働く「片働き」でも、十分に家が買え、2〜3人の子どもを大学まで進学させることができました。退職金もあり、贅沢しなければ、年金だけで生活できるくらいの額をもらえます。

 でも時代は変わりました。不動産はずいぶん高くなり、そこそこの住まいを、平均的なサラリーマン1人の収入で買うと、住宅ローンの負担が重くのしかかってきます。子どもを私立学校にやろうと思うと、1年で100万円くらい余計にかかります。別に私立にやる必要はありませんが、退職金も公的年金もどんどん減らされてしまうので、老後のためにも自分で蓄えなくてはなりません。これ全部を夫一人の収入でまかなえるのは、大企業でも一握りのエリートサラリーマンだけです。あとは弁護士、開業医くらいなものです。

 普通のサラリーマンの妻になっても、生活はキツキツで「優雅に暮らす」なんて夢の夢です。片働きだと、共働きの3分の2の値段の家を買っても60歳までに貯められる金額は半分です。

 でも、特別エリートでなくても、医者ではなくても、夫婦でずっと働けば、家を買ったり、子ども2人を大学にやるのはそんなに難しいことではありません。年に1度海外旅行に行くくらいはできます。2人分の年金があれば、老後だって大変ではありません。自分たちのために使えるお金がぐんと増えます。

 いま、結婚を意識する相手がいるなら、一緒にじっくり考えてみる価値があります。