子どもは負債?それとも宝?子どもがいる人生は楽しい。

 「子ども1人を育てるのに、最低でも1000万円かかる!」とマスコミが脅すので(それだけが理由ではありませんが)、若いカップルが子どもを持ちたがらず、日本は少子化が進んでいます。個人の三代不良債権は、マイホームと専業主婦と子どもだ」と冗談交じりに言う経済専門家もいます。昔は「子宝」、いまは「子負債」というわけです。

 確かに、子どもがいないより子どもがいるほうが出費はかさみます。自分に使えるお金も減ります。でも、自分にお金を使うよりも、子どもに子どもと使うほうがずっと楽しいこともあります。

 私も20代の頃は、子どもを持つことに漠然と不安がありました。お金のこともそうですが「自分がやりたいことができなくなるのでは」と思っていたのです。そういう女性は少ないないでしょう。

 ところが、オーストラリアでメキシコ人のママの家にホームステイした29歳の時、当時37歳の彼女はこう言い切りました。

 「私、子どもが生まれたからっていう理由で、やりたいことをあきらめたことは1度もないわ」

 3人の娘がいる母の言葉には説得力がありました。

 「え、何だ、そうなのか。できないっていうのはただの思いこみだったのか」とびっくりしました。

 実際そのとおりでした。私は旅行が好きですが、妊娠8ヶ月で北海道に行き、生後2ヶ月の娘を連れてアメリカに行きました。大変は大変でしたが、面白かったのも事実です。子が成長するにつれ、子連れ旅行は大変さがなくなって、楽しさが増してきます。もうひとりで行くのはつまらないとすら感じています。

 保育園も最初は公立に入れずに月6万円かかりましたが、乗り越えられました。貴重な楽しい経験でした。今は大学進学のために月1万円ずつを積み立てています。

 世界中でベストセラーになった『金持ち父さん貧乏父さん』の著者はすごい金持ちですが、子どもはいません。子どもが3人いて、ひーひーいっている(片働きの)私の友人とどっちがほんとうは豊かなのかと考えてしまうこともあります。

 子どもにかけるお金は、自分の気持ち次第で多くも少なくもできます。人生の楽しさも「財産」のうちと考える人には、絶対的に子どもを持つことをおすすめしたいです。人生の貸借対照表には金額以外のことも載せられるのです。